大変遅くなりました。二週間遅れですが木乃香の誕生日SSを書きました。
良かったらご覧ください。
SS本編は続きからどうぞ。グダグダでゴメン!
中学を卒業したといっても、数日で何かが変わるわけもなく。とりわけ3Aは3Aのままで。いつものノリとお祭り騒ぎでお嬢様の誕生日パーティーが執り行われたのは今日の昼間の話。
流石にもうすぐ日付も変わろうという今はその名残すら無い。
気を利かせてくれたのかもしれないが、パーティーの参加者は一人減り、二人減り。今はお嬢様と二人きり。
パーティー会場だったお嬢様たちの部屋は、昼間の喧騒が嘘のように静かで、それでいて穏やかな空気が流れている。
そんな中、二人、寄り添うように座ってどちらからともなく思い出話に花を咲かせていた。初めはつい最近。次に魔法世界。その次は学園祭。そして修学旅行。思い出は過去へ過去へとさかのぼっていく。
話が私たちの出会い、幼少期にまで及んだ時、不意にお嬢様がこちらへ向き直ると少しためらいがちに口を開かれた。
「なぁ、一つお願いしてええかな?」
「なんでしょう? 私ができることなら何でも」
「あんな、ウチ、空の散歩がしたい」
え? 珍しいな、と思う。私の素性がばれることを気にされているのかもしれないが、お嬢様が私にこのようなことを頼んだことは無い。
そのお嬢様からのたってのお願いだ。否と言うことなどあるわけが無い。ましてや今日はお嬢様の誕生日。お嬢様のお願いは全力で叶えたい。
「ええ、いいですよ、行きましょう」
お嬢様の手を取り寮の屋上へ。バサリと音を立てて背中から翼を呼び出すと、お嬢様を抱えて空へと飛び立つ。
「ひゃー」
楽しそうな声を上げられるお嬢様のお顔を間近に見つめながら、しばしの空中散歩。そこに流れる空気は先ほどまで部屋に流れていたものと同じ。どこまでも穏やかでどこまでも心地いい。
そんな空気に浸ってると、まさにその穏やかさを体現したようなふわりとした笑顔でお嬢様が微笑まれた。そしてゆっくりと話し出された。
「この2ヶ月、長かったなぁ」
「2ヶ月、といいますと?」
「せっちゃんが15歳になってからの2ヶ月。そしてウチが14歳のままの2ヶ月」
「はあ……? そんなに気にするようなことでしょうか。年が違うといってもたった2ヶ月ですよ?」
私との年齢が違ってしまったこと、それをお嬢様が寂しく感じてくださっていることは分かる。でも、それこそたったの2ヶ月だ。それをお嬢様が『長い』と感じられていることに違和感を覚えずにはいられない。
疑問を乗せてお嬢様を見つめていると、ふっと目を細めて微笑まれた。それはどこか大人びたものを私に感じさせる。
「あんな、この2ヶ月はウチとせっちゃんが出会うことのでけへん2ヶ月やから」
「え、だって」
「あ、今の2ヶ月の話とちゃうんよ。15年前。せっちゃんが生まれてウチが生まれるまでの2ヶ月。この間、せっちゃんはウチの居ない世界におったんやなって思うたら、なんやウチの誕生日までの2ヶ月がすごく長く思えてな。変やろ、実際ウチとせっちゃんが始めて会うたのは2ヶ月どころかもっとずっと後やのに」
ああ、ようやくお嬢様の言わんとしていることが飲み込めた。
この世界に私が生まれてからお嬢様が生を受けるまでのその2ヶ月の大きさ、重さを感じてくださっているのだと。
その事実はとても嬉しくて、少しだけ私を饒舌にする。
「2ヶ月なんてたいしたことありません。もっと沢山の時を一緒にすごしてきたじゃないですか。ちゃんとお傍に居ますよ」
「うん。でもな、やっぱりどこか寂しうて。せやからせっちゃんとこうして飛びたかってん。ちゃんと二人同じ空の下に居るって感じとうて」
「ではもう少し近づきましょうか」
あの大きな空へもっともっと近づくようにと高く高く二人で飛び上がる。空に浮かぶ月へと届けとばかりに。
そして未だ饒舌な私の口からするりと言葉が零れ落ちた。
「ずっと一緒に居ましょう。この同じ空の下で」
「ふふっ」
「いかがされました?」
「なんや、今のプロポーズみたいやなって思うて」
「なっ、そっ、そう意味じゃっ」
「ちゃうの?」
こちらを見つめてこられるお嬢様の視線は期待に満ちている。そんな目で見つめられては恥かしくて否定も肯定もできない。
だからせめてと彼女を抱く腕に力をこめて、更に高みへと羽ばたく。そして今日何度も口にした台詞を、日付が変わる前に改めてもう一度。
「お嬢様、お誕生日おめでとうございます。来年もその次もずっとお祝いさせてください。貴女のお傍で」
私の台詞にお嬢様が微笑まれた。それはまるで空に浮かぶ月のように穏やかな笑顔だった。
終
良かったらご覧ください。
SS本編は続きからどうぞ。グダグダでゴメン!
中学を卒業したといっても、数日で何かが変わるわけもなく。とりわけ3Aは3Aのままで。いつものノリとお祭り騒ぎでお嬢様の誕生日パーティーが執り行われたのは今日の昼間の話。
流石にもうすぐ日付も変わろうという今はその名残すら無い。
気を利かせてくれたのかもしれないが、パーティーの参加者は一人減り、二人減り。今はお嬢様と二人きり。
パーティー会場だったお嬢様たちの部屋は、昼間の喧騒が嘘のように静かで、それでいて穏やかな空気が流れている。
そんな中、二人、寄り添うように座ってどちらからともなく思い出話に花を咲かせていた。初めはつい最近。次に魔法世界。その次は学園祭。そして修学旅行。思い出は過去へ過去へとさかのぼっていく。
話が私たちの出会い、幼少期にまで及んだ時、不意にお嬢様がこちらへ向き直ると少しためらいがちに口を開かれた。
「なぁ、一つお願いしてええかな?」
「なんでしょう? 私ができることなら何でも」
「あんな、ウチ、空の散歩がしたい」
え? 珍しいな、と思う。私の素性がばれることを気にされているのかもしれないが、お嬢様が私にこのようなことを頼んだことは無い。
そのお嬢様からのたってのお願いだ。否と言うことなどあるわけが無い。ましてや今日はお嬢様の誕生日。お嬢様のお願いは全力で叶えたい。
「ええ、いいですよ、行きましょう」
お嬢様の手を取り寮の屋上へ。バサリと音を立てて背中から翼を呼び出すと、お嬢様を抱えて空へと飛び立つ。
「ひゃー」
楽しそうな声を上げられるお嬢様のお顔を間近に見つめながら、しばしの空中散歩。そこに流れる空気は先ほどまで部屋に流れていたものと同じ。どこまでも穏やかでどこまでも心地いい。
そんな空気に浸ってると、まさにその穏やかさを体現したようなふわりとした笑顔でお嬢様が微笑まれた。そしてゆっくりと話し出された。
「この2ヶ月、長かったなぁ」
「2ヶ月、といいますと?」
「せっちゃんが15歳になってからの2ヶ月。そしてウチが14歳のままの2ヶ月」
「はあ……? そんなに気にするようなことでしょうか。年が違うといってもたった2ヶ月ですよ?」
私との年齢が違ってしまったこと、それをお嬢様が寂しく感じてくださっていることは分かる。でも、それこそたったの2ヶ月だ。それをお嬢様が『長い』と感じられていることに違和感を覚えずにはいられない。
疑問を乗せてお嬢様を見つめていると、ふっと目を細めて微笑まれた。それはどこか大人びたものを私に感じさせる。
「あんな、この2ヶ月はウチとせっちゃんが出会うことのでけへん2ヶ月やから」
「え、だって」
「あ、今の2ヶ月の話とちゃうんよ。15年前。せっちゃんが生まれてウチが生まれるまでの2ヶ月。この間、せっちゃんはウチの居ない世界におったんやなって思うたら、なんやウチの誕生日までの2ヶ月がすごく長く思えてな。変やろ、実際ウチとせっちゃんが始めて会うたのは2ヶ月どころかもっとずっと後やのに」
ああ、ようやくお嬢様の言わんとしていることが飲み込めた。
この世界に私が生まれてからお嬢様が生を受けるまでのその2ヶ月の大きさ、重さを感じてくださっているのだと。
その事実はとても嬉しくて、少しだけ私を饒舌にする。
「2ヶ月なんてたいしたことありません。もっと沢山の時を一緒にすごしてきたじゃないですか。ちゃんとお傍に居ますよ」
「うん。でもな、やっぱりどこか寂しうて。せやからせっちゃんとこうして飛びたかってん。ちゃんと二人同じ空の下に居るって感じとうて」
「ではもう少し近づきましょうか」
あの大きな空へもっともっと近づくようにと高く高く二人で飛び上がる。空に浮かぶ月へと届けとばかりに。
そして未だ饒舌な私の口からするりと言葉が零れ落ちた。
「ずっと一緒に居ましょう。この同じ空の下で」
「ふふっ」
「いかがされました?」
「なんや、今のプロポーズみたいやなって思うて」
「なっ、そっ、そう意味じゃっ」
「ちゃうの?」
こちらを見つめてこられるお嬢様の視線は期待に満ちている。そんな目で見つめられては恥かしくて否定も肯定もできない。
だからせめてと彼女を抱く腕に力をこめて、更に高みへと羽ばたく。そして今日何度も口にした台詞を、日付が変わる前に改めてもう一度。
「お嬢様、お誕生日おめでとうございます。来年もその次もずっとお祝いさせてください。貴女のお傍で」
私の台詞にお嬢様が微笑まれた。それはまるで空に浮かぶ月のように穏やかな笑顔だった。
終
[ ネギま!SS/このせつ]










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