2月ももう終わりですね。でもVDSSの更新です。
まあ、今日はバレンタインデーとホワイトデーのちょうど中間の日らしいのでいいですよね。
言い訳はともかく。
今年最後のVDSSは『けいおん!』で和憂です。
すみませんが今年のVDはこれで打ち止めです。
なお、このSSはSSサイト「古都の木の香りは刹那に」のリト様よりネタをいただきました。
書いてるうちにネタの原形くらいしか残らなかったんですがw
それではSS本編は続きからどうぞ。
「今度、お姉ちゃんへのバレンタイン用にチョコケーキ作るんですが、和さんも一緒にどうですか?」
そう、憂に誘われたのが先日のこと。その誘いにのって憂たちの家にお邪魔したがついさっき。
そして私は早くもこの誘いにのったことを後悔し始めていた。
なにしろ、一緒にと言っても私がすることなどほとんど無い。もちろん、自分から誘った手前、憂はそれなりに私にも作業を振ってくれるが、それはあくまでもそれなりに、だ。手際よく作業を進める憂を、手持ち無沙汰に眺めてることもしばしばだ。
そしてそれ以上に私を後悔させたもの、それは憂の表情だった。
というのも、それはそれは楽しそうに作業をしているのだ。実の姉に贈るチョコケーキ作りを。
分かっていたこととはいえ、ちょっとこれは私を微妙な気分にさせる。だって一番チョコを貰いたい且つあげたい相手が、私以外へのチョコを嬉々として作っている姿なんて、見たいものじゃないじゃない。
なので、ついつい思わずにはいられない。私の気も知らないで、と。憂は鈍い子ね、とも。もちろん、そんな様子を憂に悟らせるつもりは無いけれど。だってこれは私の勝手な想いに過ぎないのだから。
こんな益体も無いことを思いながら憂を眺めていると、不意に彼女がこちらへ振り返った。そこには「えへへ」といった笑い声が聞こえてきそうな、どこか悪戯っぽい表情が浮かんでいる。
これは……何かしら?
浮かぶ疑問のままに「ん?」と憂をうながせば、彼女が右手を差し出してきた。その手に握られているのは1本のスプーン。ただしそれにはたっぷりとチョコがのっていた。そう、チョコケーキ作りのためにボールへ溶かされたチョコレート。それをすくってこちらへ向けてよこしてきていた。
「ん?」
「はい、和ちゃん、あーん」
「ああ、味見?」
確認を取るように憂に問いかければ、返事の代わりにスプーンを握った右手が更にずいっとこちらへ延びてきた。
その動きに誘われるままにそれを口に含む。すると、目の前で憂がふっと微笑んだ。今度こそ「えへへ」という笑い声とともに。そしてその頬はわずかながら紅く染まっている。
この反応は何? 疑問のあまり思わずぼうっと憂を眺めてしまいそうになるのをなんとか押さえて、口内のチョコを飲み込んでから問いかける。
「えっと、憂?」
「おいしい?」
「え? ええ」
「良かったー。あのね、和ちゃんに一番に食べてもらいたかったんだ」
「え? だってこれは唯への……」
どういうことなのかしら。このチョコは唯へのチョコケーキの材料のはず。それなのに私に一番に、というのは話が通らない。憂の台詞に疑問は解消されるどころか、深まるばかり。
軽く眉間にしわをよせて憂を見つめれば、憂が悪戯っぽい表情はそのままに、こちらを真っ直ぐに見つめてきた。その頬の色がさっきより色濃くなっているのは気のせいじゃないはず。
「うん、お姉ちゃんにもあげるよ。でも、和ちゃんにあげないなんて私、言ってないよ?」
「あ……」
「せっかくあげるんだから、一番好きな人の好みの味にしたいなって思って。だから、和ちゃんに手伝いをお願いしたんだ。味見って大役だよ?」
「それって……」
「和ちゃん、私からのバレンタインチョコ貰ってくれる?」
上目遣いで私を見つめる憂に、私の体に熱が生じた。そう、先ほど口にしたチョコが体内で熱を持ったように。多分、私の頬も憂と同じ色に染まってるに違いない。やれやれ、鈍いのはどっちだって話よね。
「えっと、あのね」
「和ちゃん?」
「お返しはホワイトデーでいいかしら?」
「うんっ!」
憂にしてやられた形になったのがちょっとだけ悔しくて、少しだけかっこつけて返事をすれば、そんな私の態度とは正反対な憂の姿。満面の笑みをこぼしながら彼女がギュッと抱きついてきた。
その感触に実感する。きっと今年のバレンタインはとても嬉しいものになるって。
だからそれ以上の嬉しさをこの子に返してあげなきゃね。
いまだ抱きついている彼女の背に両腕を回しながら、そっと心の中で呟く。
――ホワイトデーを待っててね、憂。
END
まあ、今日はバレンタインデーとホワイトデーのちょうど中間の日らしいのでいいですよね。
言い訳はともかく。
今年最後のVDSSは『けいおん!』で和憂です。
すみませんが今年のVDはこれで打ち止めです。
なお、このSSはSSサイト「古都の木の香りは刹那に」のリト様よりネタをいただきました。
書いてるうちにネタの原形くらいしか残らなかったんですがw
それではSS本編は続きからどうぞ。
「今度、お姉ちゃんへのバレンタイン用にチョコケーキ作るんですが、和さんも一緒にどうですか?」
そう、憂に誘われたのが先日のこと。その誘いにのって憂たちの家にお邪魔したがついさっき。
そして私は早くもこの誘いにのったことを後悔し始めていた。
なにしろ、一緒にと言っても私がすることなどほとんど無い。もちろん、自分から誘った手前、憂はそれなりに私にも作業を振ってくれるが、それはあくまでもそれなりに、だ。手際よく作業を進める憂を、手持ち無沙汰に眺めてることもしばしばだ。
そしてそれ以上に私を後悔させたもの、それは憂の表情だった。
というのも、それはそれは楽しそうに作業をしているのだ。実の姉に贈るチョコケーキ作りを。
分かっていたこととはいえ、ちょっとこれは私を微妙な気分にさせる。だって一番チョコを貰いたい且つあげたい相手が、私以外へのチョコを嬉々として作っている姿なんて、見たいものじゃないじゃない。
なので、ついつい思わずにはいられない。私の気も知らないで、と。憂は鈍い子ね、とも。もちろん、そんな様子を憂に悟らせるつもりは無いけれど。だってこれは私の勝手な想いに過ぎないのだから。
こんな益体も無いことを思いながら憂を眺めていると、不意に彼女がこちらへ振り返った。そこには「えへへ」といった笑い声が聞こえてきそうな、どこか悪戯っぽい表情が浮かんでいる。
これは……何かしら?
浮かぶ疑問のままに「ん?」と憂をうながせば、彼女が右手を差し出してきた。その手に握られているのは1本のスプーン。ただしそれにはたっぷりとチョコがのっていた。そう、チョコケーキ作りのためにボールへ溶かされたチョコレート。それをすくってこちらへ向けてよこしてきていた。
「ん?」
「はい、和ちゃん、あーん」
「ああ、味見?」
確認を取るように憂に問いかければ、返事の代わりにスプーンを握った右手が更にずいっとこちらへ延びてきた。
その動きに誘われるままにそれを口に含む。すると、目の前で憂がふっと微笑んだ。今度こそ「えへへ」という笑い声とともに。そしてその頬はわずかながら紅く染まっている。
この反応は何? 疑問のあまり思わずぼうっと憂を眺めてしまいそうになるのをなんとか押さえて、口内のチョコを飲み込んでから問いかける。
「えっと、憂?」
「おいしい?」
「え? ええ」
「良かったー。あのね、和ちゃんに一番に食べてもらいたかったんだ」
「え? だってこれは唯への……」
どういうことなのかしら。このチョコは唯へのチョコケーキの材料のはず。それなのに私に一番に、というのは話が通らない。憂の台詞に疑問は解消されるどころか、深まるばかり。
軽く眉間にしわをよせて憂を見つめれば、憂が悪戯っぽい表情はそのままに、こちらを真っ直ぐに見つめてきた。その頬の色がさっきより色濃くなっているのは気のせいじゃないはず。
「うん、お姉ちゃんにもあげるよ。でも、和ちゃんにあげないなんて私、言ってないよ?」
「あ……」
「せっかくあげるんだから、一番好きな人の好みの味にしたいなって思って。だから、和ちゃんに手伝いをお願いしたんだ。味見って大役だよ?」
「それって……」
「和ちゃん、私からのバレンタインチョコ貰ってくれる?」
上目遣いで私を見つめる憂に、私の体に熱が生じた。そう、先ほど口にしたチョコが体内で熱を持ったように。多分、私の頬も憂と同じ色に染まってるに違いない。やれやれ、鈍いのはどっちだって話よね。
「えっと、あのね」
「和ちゃん?」
「お返しはホワイトデーでいいかしら?」
「うんっ!」
憂にしてやられた形になったのがちょっとだけ悔しくて、少しだけかっこつけて返事をすれば、そんな私の態度とは正反対な憂の姿。満面の笑みをこぼしながら彼女がギュッと抱きついてきた。
その感触に実感する。きっと今年のバレンタインはとても嬉しいものになるって。
だからそれ以上の嬉しさをこの子に返してあげなきゃね。
いまだ抱きついている彼女の背に両腕を回しながら、そっと心の中で呟く。
――ホワイトデーを待っててね、憂。
END
[ けいおん!SS/和憂]










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